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越前焼

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越前焼の歴史

日本六古窯の一角を占める越前焼は、とても古い歴史を持つ伝統工芸です。

始まりは平安時代とされており、江戸時代にかけて発展してきました。

かつては窯数も200を超えており、大規模な操業がなされていたようです。

作出していた陶器は壺や徳利などの日用品でした。

他の古窯が茶器などを手がけるようになっても、越前焼は生活のための雑器にこだわり続けましたが、この事が一因となり、他の窯業に押される形で明治時代には一度、衰退してしまいます。

一時は廃絶の瀬戸際まで追い込まれてしまったものの、戦後には再び注目を集めるようになりました。

1970年には越前陶芸村が設けられ、多数の陶芸家が集まったことで窯元が増加。

人気も高まって、今では日本でも有数の古窯として知られます。

2017年には越前焼を含む日本六古窯が日本遺産に登録され、今後一層の飛躍が期待できそうです。

越前焼の特徴

越前焼は華美な着色を用いない、素朴でシンプルな味わいを特徴としています。

越前土を活かす形で作出され、温かみのある土色に自然釉を組み合わせる形で、質素ながら極めて奥深い風合いを秘めるのが魅力です。

この越前土は鉄分をふんだんに含むという特質があり、耐火・耐熱性が高くなっています。

このために高温でしっかりと焼き締めると、陶器の表面には赤みを帯びる黒から褐色の風合いが現れるわけです。

使われる釉薬は薪の灰が自然に陶器にかかる、灰釉と呼ばれるもの。

あくまでも自然的に釉薬が施される形になりますから、同じ模様の陶器は存在しないことになります。

近年では新進気鋭の作家によって、多彩な作風が試みられており、表現の幅も広がってきました。

侘び寂びを全面に感じられる伝統的な作風も素晴らしいですが、和モダンとして楽しむことも可能となっています。

越前焼の利用シーン・使用上の注意点

味わい深い越前焼は、実は強度も優れているのが特徴です。

水漏れを起こしにくいために昔から水瓶などに利用されてきましたが、今日でも日常使いの適性は高いです。

作出されているものも茶碗や皿が多く、家庭に取り入れやすくなっています。

近年ではコーヒーカップやワインカップなども登場しており、バリエーションが増えてきました。

和食はもちろんですが、洋食の場面でも活用しやすいでしょう。

使用に際しては、陶器は吸水性があるので気をつけたい点がいくつかあります。

越前焼は特に水漏れをしにくい特徴を持ちますが、油断は禁物。

水気に晒したままだとカビが生えるリスクなどが考えられるので、浸け置きは控えると良いでしょう。

また、使用後は飲み物や料理の水分が染み込まないよう、早めに洗い物を済ませることで、ニオイ移りを防ぐことができます。

他に注意点として、電子レンジやオーブン、食洗機での使用の可否は、製品ごとに購入時に確かめたほうが安心です。

使用可能となっているケースもありますが、不可の製品もあるので気をつけましょう。

越前焼の見学できる工房

名称:越前陶芸村越前焼の館
所在地:福井県丹生郡越前町小曽原5-33
電話:0778-32-2199
アクセス:福井鉄道神明駅から福鉄バス樫津織田行30分、陶芸村口で降りて徒歩7分
営業時間:8時30分~17時
定休日:12月29日~1月1日

越前焼の体験できる場所

名称:オタイコ・ヒルズ
所在地:福井県丹生郡越前町下河原37-19-1
電話:0778-36-2061
アクセス:JR武生駅より「福鉄バス」かれい崎行き越前海岸方面30分平等口バス停下車徒歩5分
営業時間:8:30~17:00
定休日:水・日曜日

名称: 叢至塾
所在地:福井県福井市小幡町3-312
電話:0776-85-1411
アクセス:福井北インターより車で約45分
営業時間:AM9:00~12:00,PM13:00~18:00
定休日:不定

Written by 赤津 陽一

竹細工職人の祖父を持ち、幼少より伝統工芸やものづくりの現場を見て育つ。日本のものづくりの現状を変えたいとの思いから、BECOS(ベコス)の立ち上げに参画。全国の職人やメーカーに対して取材や撮影、インタビューを行い自分の足で情報を集め、読者へ届けることにこだわっている。

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