in

井波彫刻

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

井波彫刻の歴史

井波彫刻は富山県南砺市の井波地区で受け継がれている伝統工芸です。

1763年に地域の古刹、瑞泉寺が火災で焼失。

その再建にあたって京都本願寺より派遣された御用彫刻師が、地元の大工にその技を伝授したことが始まりです。

1792年に再建された、瑞泉寺勅使門(ちょくしもん)菊の門扉の両脇に残る「獅子の子落とし」は、狩野派の画風を思わせる浮き彫り技法が凝らされた、日本彫刻史上の傑作と言われています。

井波彫刻は江戸時代を通じて、寺社仏閣を彩る技法として育まれてきました。

明治になると、寺院欄間の技法を活かした住宅欄間の形態も整えられ、盛んに研鑽が積み重ねられます。

1975年には伝統的工芸品に指定され、現在では、住宅欄間の製作を中心に、寺社仏閣の彫刻や芸術作品の製作など、幅広い分野で製作が行われています。

井波彫刻の特徴

井波彫刻が手掛けるのは寺院欄間や住宅欄間だけではありません。

卓抜したその技法は、獅子頭、衝立、仏像など、幅広い分野でいかんなく発揮されています。

大きな特徴は力強くも緻密で繊細な技法が随所に凝らされる点です。

作品の性質によって、時に大胆に、優美にと、多彩な表現を駆使することで、井波彫刻の美は生み出されています。

この井波彫刻の作風を支えているのは、大小さまざまな形をしたノミです。

荒彫り用から仕上げ用までを合わせると、ゆうに30種類以上を使い分け、平均すると一人の職人で200本程度の道具は持っているといわれています。

これらの道具は素材や工程によって使い分けられるものです。

道具類は職人が自分に合わせて手作りします。

このように素材や作風に合わせて、多彩に道具を使い分ける点も、井波彫刻の大きな特徴の一つです。

井波彫刻の利用シーン・使用上の注意点

井波彫刻を使った作品にはスプーンや皿といった食器などもあります。

木の特徴を生かした、温もりを感じる風合いとなっているので、和食だけではなく洋食や中華といった様々な料理に活用することができます。

また、丈夫で扱いやすいので特別な日にはもちろんのこと、日常使いの食器としても気軽に使えるのも、井波彫刻で作る食器の特徴です。

ただ、丈夫で扱いやすいとはいえ、天然素材を使用しているだけに、使い方や保管方法には注意が必要となります。

まず、食器を使った後はできるだけ早めに洗うようにします。

長い時間、使ったままの状態で置いていると、油や料理の色が移ってしまうことがあるので注意しましょう。

洗うときには金タワシや食器洗浄機などは使わず、傷がつかないようにするために、柔らかいスポンジなどで洗うようにします。

白無垢を使った食器の場合は、よく絞った布巾などで汚れをふき取り、その後に乾拭きしてから保管するようにすることが大切です。

また、急激な乾燥による割れや反りを防ぐため、使用後は水けをよく拭きとってから、冷暗所で保管するようにしましょう。

井波彫刻の見学できる工房

名称:井波彫刻総合会館
所在地:富山県南砺市(井波)北川733
電話:0763-82-5158
アクセス:大阪より(特急)高岡まで3時間、名古屋より(特急)高岡まで3時間30分、東京より(特急)高岡まで3時間30分となっており、JR北陸本線高岡駅で下車します。井波彫刻総合会館までは、駅よりバスで(井波・庄川行)55分です。車でのアクセスは、北陸高速自動車道砺波I.Cより国道156号線を使って約15分となっています。
営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休日:毎月第2・第4水曜日、但し、休館日が祝祭日の場合は翌日が休館となります。年末年始。

名称:井波美術館
所在地:富山県南砺市井波3624
電話:0763-82-5523
アクセス:あいの風とやま鉄道高岡駅から井波・庄川行バスで50分、瑞泉寺前より徒歩1分です。
営業時間:9:00~16:00
定休日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)、冬季休館(1月・2月)、陳列替え時期

井波彫刻の体験できる場所

名称:いなみ木彫りの里創遊館
所在地:富山県南砺市北川730
電話:0763-82-5757
アクセス:JR北陸本線を利用する場合は、大阪から高岡駅まで約3時間、名古屋より高岡駅までは約3時間20分となっています。東京から北陸新幹線を使い、新高岡で下車する場合は約2時間20分です。高岡駅ならびに新高岡駅から、いなみ木彫りの里創遊館まではバスで約50分となっています。車を利用する場合は、北陸自動車道砺波I.Cより15分、もしくは東海北陸自動車道福光I.Cより約20分程度でアクセスできます。
営業時間:10:00〜18:00(くりえ〜と工房は10:00〜17:00まで)
定休日:毎月第2・第4水曜日、くりえ〜と工房は日曜日以外(日曜のみ営業)

Written by 赤津 陽一

竹細工職人の祖父を持ち、幼少より伝統工芸やものづくりの現場を見て育つ。日本のものづくりの現状を変えたいとの思いから、BECOS(ベコス)の立ち上げに参画。全国の職人やメーカーに対して取材や撮影、インタビューを行い自分の足で情報を集め、読者へ届けることにこだわっている。

仙台箪笥

一位一刀彫