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小石原焼

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小石原焼の歴史

1592年、小石原焼のルーツともいえる「高取焼」が始まりました。

高取焼を作り始めたのは八山という陶工です。

彼は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に黒田長政という戦国武将に連れられて日本に来たのでした。

八山は、黒田長政が関ケ原の戦いで手柄を立てて筑前国藩主になったのを機に、鞍手郡高取山麓に窯を造り焼き物を始めました。

その後窯場を転々と映していき、たどり着いたのが小石原だったのです。

では、なぜ高取から小石原に窯場は移されたのでしょうか。

当時、藩内では各地から土を集めて陶器の生産に適した土を探していました。

その時、小石原でとれる粘土が陶器に適していることがわかりました。

また、当時は日常用品で使われる焼き物が陶器から磁器に代わり始めていましたが、高取ではその両方を焼くことができる環境が整っていたのです。

これらの理由から、小石原に窯場が移され、1669年に小石原中野でとれた粘土を用いて鉢や甕、壺が焼かれれ始めたのでした。

また、小石原は山奥に立地しており、自給自足で生活できる地盤が整っていたので、焼き物の製造も途切れることなく続けることができたのでした。

豊富な原料と環境が整っていたことが今日まで小石原焼が続いて発展してこれた理由といえます。

小石原焼の特徴

1926年に始まった、民芸運動で「用の美」という言葉がよく使われました。

用の美とは、日常的に使われてきた用品や、今まで正当に評価されてこなかった物にこそ美しさが宿っているのではないかという意味を込めた言葉です。

小石原焼の大きな特徴は、日常で使われる素朴で温かみのある味わいを持った焼き物であることです。

小石原でとれる赤土は、素朴な風合いを作るのに適していたので、「用の美」を持った焼き物として庶民の日常用品としても愛されています。

また、小石原焼の製法では、陶土で成形した後に「化粧土」という鉄分の少ない白い陶土をかけて、生乾き状態で模様をつけていく方法が特徴です。

模様のつけ方にはいくつか技法があります。

飛び鉋という技法は、化粧土をかけた器をろくろで回転させながら刷毛を当てて線で模様を付ける技法です。

この技法では、生乾きの主体で作業を進めていくので繊細な線を器に描くことができます。

櫛目という技法は、化生土をかけてすぐの器に櫛状の道具で波型などの模様を入れる技法です。

この他にも「指描」「流し掛け」「打ち掛け」など、多様な技法を用いて、デザインが豊富な焼き物が作られていることも小石原焼が愛される大きな理由です。

小石原焼の利用シーンと利用の注意点

小石原焼の一番の売りは、イギリスの有名陶芸家であるバーナード・リーチから「用の美の極致」といわれるほど、素朴で美しいデザインをした日常用品です。

茶碗、湯飲み、食器、などの日用品は、小石原焼伝統の刷毛目や飛び鉋などの技法によって描かれた模様が施されています。

小石原焼の独特な文様と、素朴なぬくもりは若い人たちの間でも注目されています。

結婚祝いや、その他贈り物として小石原焼を送ることも多いです。

また、小石原焼は置物などのインテリアにも人気です。

置物としては花瓶などが小石原焼では評判が高いです。

小石原焼の窯元はいくつかありますが、おススメは「圭秀窯」です。

圭秀窯は飴釉の優しい色合いと形が多くの人に支持されています。

また、「上鶴窯」の焼き物も小石原焼では人気です。

現在窯元を継いでいる和田雄一郎さんは窯を継ぐまで陶芸の経験がなかったといいます。

和田さんの作る作品は仙台から伝わる伝統と独自のやり方を融合させた焼き物で人気で、上鶴窯で作られる白を基調とした焼き物は、料理を引き立てるのに最適です。

小石原焼はデザイン性がとても豊かですので、ぜひ窯元を訪れてみて、自分好みの一品を見つけてみるといいでしょう。

小石原焼は陶器ですので、落としたりぶつけたりすると破損する可能性があります。ご注意ください。

小石原焼の見学をできる工房

・名前 小石原焼伝統産業会館

・所在地 朝倉郡東峰村大字小石原730-9

・営業時間 9:00~17:00

・電話番号 0946-74-2266

小石原焼の体験をできる場所

・名前 カネハ窯

・所在地 福岡県朝倉郡東峰村小石原113

・営業時間:9:00~17:00

・休業日:不定休 ※体験希望の際はお問い合わせください。

・受付時間:9:00~15:00

Written by 赤津 陽一

竹細工職人の祖父を持ち、幼少より伝統工芸やものづくりの現場を見て育つ。日本のものづくりの現状を変えたいとの思いから、BECOS(ベコス)の立ち上げに参画。全国の職人やメーカーに対して取材や撮影、インタビューを行い自分の足で情報を集め、読者へ届けることにこだわっている。

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