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いい扇子の選び方を職人歴30年の扇子職人に聞きました! 

Journal編集長
Journal編集長

コンパクトに畳めて小さめのカバンにもスッとしまえて持ち運び便利な『扇子』。暑い夏でも扇子があれば必要なときにサッと取り出して涼しい顔になれますよね。

熱中症対策として携帯扇風機を持ち歩く人も増えていますが、大人にはやっぱり風情たっぷりの扇子がおすすめ。

でも最近は100均にまで扇子が売られており、「安くても大して違わないのでは?」と思ってしまいますよね。

実は、いい扇子とそうでない扇子には大きな違いがあります。

そこで今回は、扇子職人を30年以上続けてきた職人さんに、大人が持つのにふさわしい『いい扇子の選び方』について聞きました。

扇子選びの参考にしてみてくださいね。

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いい(高級)扇子と格安扇子の違いを知ろう

扇子と言えば、紳士淑女が持つ道具のイメージがありましたが、今は海外製の格安な扇子が大量生産されるようになりました。

そのため、若い世代の人もお祭りなどで『一見、高級そう』な扇子を使っている様子を目にすることもありますよね。

しかし、高級扇子と格安扇子ではその造りも材料も仕組みも全然違います。

いい扇子の具体的な見分け方を次に紹介します。

いい扇子の選び方のポイント5つ

いい扇子を選ぶには、”日本製であること”はもちろんですが、もう少し細かくチェックしてほしいポイントが5つあります。

一つずつ見て行きましょう。

1. 閉じた形状を前から確認

開いた扇子の両側にある2本の太い骨。

これは『親骨』と呼ばれるものです。

そして扇子をしっかりと閉じて、テーブルなどに置くか手に持ってみてください。

扇子の両側の『親骨』が扇子の紙を挟むようになりましたよね。

その親骨がまっすぐに平行になっているのではなく、『天』と呼ばれる先端部分が”キュッ”と閉まっているのがいい扇子。

これは『ため』と呼ばれているもので、閉じたときに先端を締め付けるようになった状態を言います。

『ため』がしっかりしていると、扇子が『パン!』と締まる感覚がしますよ。

2. 閉じた状態を横から確認する

つぎに、畳んだ扇子の親骨を横から見てください。

きっちりと閉じられているかどうかも大切ですが、扇子に使われている扇面の『紙』がはみ出して見えてしまっていないでしょうか。

いい扇子は熟練した職人が紙を貼っていますから、寸分狂うことなく中骨に貼り付けられるので、扇面(おうぎめん)の紙がはみ出ることはないのです。

技術的に未熟な人がつくったものや、そもそも職人ではない人がつくった安価な大量生産品の扇子は、横から見たときに紙がずれてはみ出していることが多いのです。

3. 使われている素材を確認する

扇子に使われている素材を部分別に確認してみましょう。

紙?布?扇面の素材

基本的に紙製の扇子の方が高級です。

紙素材は中骨の両面に丁寧に貼り付けなければならず、つくるのにとても手間がかかります。

布製ではこのようにつくることができません。

布製の扇は耐久性が高くなるものの、裏面の骨が丸見えになって上品とは言えず高級扇としては扱われません。

閉じた様子も布は厚みができるので、『ため』が締まった状態になりにくいでしょう。

さらに布扇子は紙に比べ、扇いでも強い風が起こりにくいです。

懸命に扇ぐわりには、涼しくないのは、布の繊維の間から空気が通り抜けて行くからです。

中骨に使われる竹の質

扇子を支える中骨には、おもに竹が使われ、なかでも竹の皮部分に近い、耐久性があって密度が高く、よく”しなる”中骨が使われているのが『いい扇子』です。

竹皮に近い部分は材料としても高価です。

空洞部分に近いところは安価ですが耐久性が弱く、しっかりと『ため』の効いたシルエットを描くことは難しくなります。

また、竹自体が非常に高級なものもあります。築150年以上の古民家からしか取れない本煤竹などは囲炉裏の煙に燻されて、非常に美しい輝きを放ちます。

4. 扇骨の本数を確認

中骨の『本数(扇骨)』が多くなればなるほどその扇子もいい扇子』と言われます。

扇子を開いて扇骨の数を数えてみてください。

15本~25本くらいが一般的ですが、中には35本や45本も使われている扇子もあります。

その分しっかりと重量感も出るので、手にしてみると「あ、いい扇子だな」とわかるのです。

しかも扇骨が多いと、扇いだ時の”風の質”も違います。

柔らかく優しい風が出せるのです。

布製扇子で扇面がスカスカだと扇いで扇いでも強い風は起こりません。

5. 性別やTPOに合わせていい扇子を選ぶ

扇子は使う人によって合うサイズが違います。

もともと扇子の大きさは、『男性7分5寸、女性6寸5分』と決められていますが、現在は以下のようなサイズで売られています。

  • 男性:21~23cm(21cm以上が望ましい)
  • 女性:19~20cm(茶席扇子は15cm)

デザインも女性と男性では絵柄や使われている色にも違いがあります。

自分好みの扇子を選ぶのも楽しいですよね。

まとめ

暑い日の外出や室内が思いがけず暑いときなど、質のよい扇子がカバンに忍ばせてあればさりげなく取り出して扇ぐことができます。

そんな仕草はまわりの人にも、爽やかで涼し気な印象を与えることができますよ。

大人ならではの余裕を感じさせるような、美しいお気に入りの扇子を選びましょう。

Written by 赤津 陽一

竹細工職人の祖父を持ち、幼少より伝統工芸やものづくりの現場を見て育つ。日本のものづくりの現状を変えたいとの思いから、BECOS(ベコス)の立ち上げに参画。全国の職人やメーカーに対して取材や撮影、インタビューを行い自分の足で情報を集め、読者へ届けることにこだわっている。

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