鬼瓦は昔から家や家に住む者たちの守り神として愛されてきました。鬼瓦が厄災を払うとされたためです。しかし鬼瓦は恐ろしい顔をしています。そんな瓦がどうして守り神となったのでしょうか。なぜ大切な家に鬼の顔をした瓦を置くことになったのか、種類や産地はどうなのかなど、さまざまな疑問が浮かびます。今回は多くの謎を持つ鬼瓦の疑問について答えていきます。

鬼瓦ってそもそも何?

鬼瓦とは、日本式建築物の棟の端などに設置される板状の瓦の総称です。厄除けであるだけではなく飾りでもあります。屋根材に雨水を防ぐ役割を持っているため実用的にも優秀です。精巧な形は芸術作品として評価されていて、神社やお寺、一般の日本式家屋の屋根などに置かれています。鬼の顔をしたものだけを指すのではなく、いろいろなデザインがあります。鬼瓦の起源は、ギリシャ神話で有名なメドゥーサをシリアのパルミラ遺跡にある入り口の上に設置していた文化からきています。シリアではメドゥーサを使っていたわけですが、日本では鬼が代わりとなりました。共通するのは恐ろしいものを置くことで、恐ろしいことから守るという考え方です。厄除けの意味で鬼の顔をした鬼瓦が使われていましたが、隣近所をにらみつけるような姿が次第に敬遠されるようになり、縁起物である七福神や、火災を防ぐために水という文字を取り入れた鬼瓦などが使われるようになりました。

鬼瓦の数え方は?

鬼瓦は通常一枚と数えます。これは瓦も同じですが、形状では一山と数える場合もあります。ちなみに瓦と関連して屋根の場合はというと、同じく一枚、または一面、一宇(いちう)と数えます。家の場合は一軒、一戸、一棟などです。

鬼瓦の種類はどのような種類があるの?

鬼瓦は屋根で使用される場所や形によって種類が分けられます。2つのタイプをご紹介します。

「足付鬼(あしつきおに)」

破風(屋根の妻側にある三角形の部分や斜めに打ち付けた板)の拝み部分に設置するタイプです。

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「切据鬼(きりずえおに)」

降棟(くだりむね・屋根のもっとも高い位置にある水平な大棟から屋根の勾配にそって軒下の方へつくった棟)、隅棟(屋根の面がたがいに接した部分にできる隅に向かって傾斜した棟)などの先端に設置するタイプです。下の部分が直線になっているのが特徴です。

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また、形により頭、胴、足の3つに分けることができます。

頭の形には、「波型」「将棋頭型」などがあり、「覆輪」がついたものをとくに「覆輪付(ふくりんつき)」といいます。覆輪鬼瓦は全体的に角がある形で、一般的によく使用されているため馴染み深いです。

「波型」

「将棋頭型」

「覆輪付(ふくりんつき)」

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胴には「雲」や「若葉」の模様が使われることが多いです。若葉鬼瓦は若葉が模様の鬼瓦でさまざまな模様があります。

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足は「足付鬼」に限られていますが胴の模様に続いているため、「雲付」「若葉」となります。足の内側の形により、丸くえぐれているものを「またぎ鬼」、それ以外を「丸立(まるだて)鬼」といいます。これらを合わせたものが鬼瓦です。鬼瓦にはさまざまな種類がありますが、その土地や時代を表しているところが面白いといえます。

例えば、京覆輪鬼瓦は京都の西山周辺南部の住宅に使用されている鬼瓦で雲と波の形に特徴があります。京都という土地に合わせて形がつくられていったのでしょう。鬢付鬼瓦(びんつきおにがわら)は鬼瓦の頭部の両側がはりだしている形のもので、海沿いや雪国で使用されています。

鬼面鬼瓦は鬼の形をした鬼瓦で、お寺でもっとも使用されるなど、用途や場所に合わせてつくられていったのです。

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鬼瓦の価格はいくらくらい?

鬼瓦の価格は既製品かオーダーメイドかで変わってきます。これは既製品で大きさは7寸とした場合の一例ですが、覆輪頭足付で36,000円ほど。大きさは8寸の七福神付で99,000円ほどとなります。もちろんもっと安い1万円以下のものから10万円を超えるものまで幅広くあるので、希望にあったものを選ぶことが可能です。

鬼瓦の主な産地はどこ?

鬼瓦の主な産地は、全国でも最大規模の生産量を誇る「三州瓦」(愛知県西三河地方)、赤瓦が特徴の「石州瓦」(島根県石見地方)、キメの細かい美しい仕上がりが特徴的な「淡路瓦」(兵庫県淡路島)の日本三大瓦をはじめ、「菊間瓦」(愛媛県今治市)など全国に点在しています。これは全国で昔から瓦が愛され使われてきたためです。

鬼師とは?

鬼師は鬼瓦づくり専門の職人のことです。一般的な瓦がプレス機で製作されているのに対して、鬼瓦は繊細な手作業でつくられています。熟練の技が必要なため一般の瓦職人とは別です。鬼師は図面を引き、材料となる土も調合して複雑な形につくりあげ、一晩乾燥させた瓦をなめらかに整えて磨きをかけます。

さらに細部の彫刻をほどこし、2週間以上乾燥させた後、高温の窯で離れずに温度調整をしながら焼き上げます。これだけの手間と技が必要なわけですが、当然できあがった後で失敗となることもあります。

鬼師には熟練の技とともに根気も必要なのです。鬼師の仕事は伝統的な和風建築物に使われる鬼瓦の製作が主ですが、実力や実績が認められれば文化財として価値の高い歴史的建造物の鬼瓦の製作をまかされることもあります。劣化した瓦の代わりをつくるという仕事は後世に自分の足跡を残すことができる仕事です。それだけやりがいのある仕事であるといえます。

鬼師になるには?

鬼師になるには、特別な資格が必要なわけではありません。長い研鑽をつんで技を磨いていくしか方法はないのです。その長い道のりを越えて活躍している鬼師は150人ほどと言われています。具体的に鬼師を目指す場合は、規模の大きいメーカーに入社したり力のある個人経営の工房に弟子入りしたりして修業をしていきます。どちらにしても一人前になるには長い時間がかかるでしょう。それに耐えるだけの忍耐力が必要となります。

鬼瓦の製作体験ができる場所

鬼瓦の製作体験は、全国に点在している工房などの場所でできます。いくつか例を挙げていきます。まずは兵庫県姫路市にある「鬼瓦工房清泉」です。個別指導してくれるので初めての人でも分かりやすいです。時間は2時間から~2時間30分で、出来上がる時間は個人によって変わります。阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)、口を開けた鬼瓦か口を閉じた鬼瓦の好きな方をつくることができます。次は奈良県奈良市にある瓦屋「瓦道」です。ミニ鬼瓦をつくることができます。

時間は1時間ほど。最後は山梨県南アルプス市にある「若草瓦会館」です。山梨の伝統工芸である甲州鬼面瓦などをつくることができます。時間は1時間ほどです。注意してほしいのが、乾燥して焼き上げるため手に入るまで時間がかかります。別途送料が必要なところもあるので確認して下さい。他にも全国にはいろいろと体験できるところはあるので、興味のある人は探してみましょう。

鬼瓦がたくさん見れる場所

鬼瓦は寺などで見ることができますが、特にたくさん見れる場所としておすすめなのがお城です。例えば姫路城では10種類以上もの鬼瓦を見ることができます。若葉鬼瓦や波頭の鬼瓦などです。何気なく散策していた場所をよく観察してみると鬼瓦を発見できるかもしれません。

また、京都のお寺も立派な鬼瓦を多数見ることができます。永観堂の鬼瓦は、見ものです。

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全国の珍しい鬼瓦3選

福岡「太宰府天満宮」の鬼瓦

とてもかわいらしい鬼瓦で、色が付いており見どころ満点です。

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京都「浄瑠璃寺」の鬼瓦

狛犬型の鬼瓦でとてもかわいらしいです。

京都「泉涌寺」の鬼瓦

目の所に穴が空いており、角度によって目が光っているように見える珍しい鬼瓦です。

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日本一の鬼瓦

日本一の鬼瓦は京都府福知山市にある「日本の鬼交流博物館」にあります。

高さ5m、横幅4.2m、重さ10トンもの巨大な鬼瓦は9ブロックに分けて石州(島根)・三州(愛知)・越前(福井)の職人によって分担して製作されました。迫力ある鬼の面は一見の価値があります。

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鬼瓦は家の中にも置ける

鬼瓦は家の中でも置くことができます。鬼瓦の多様化は、ライフスタイルの変化によって現れるようになりました。日本式家屋を建てる人の減少で鬼瓦という伝統文化の継承が危ぶまれたのです。

しかし屋根の上に置かなくても家の中でも守り神としての役割を果たしてくれるのでは、という考えから家の中で飾るという発想が生まれました。そのため大きさもさまざまな守り神を飾るようになったのです。

鬼瓦のこれからの形

家の守り神として愛されてきた鬼瓦は、ライフスタイルの変化にともなってその形を変えてきています。
最近では、家の中にインテリアとして飾れるタイプのものや、キーホルダーのように持ち歩けるタイプの鬼瓦もつくられています。
しかし形が変わってもその伝統が継承され熟練の技を織り込まれた守り神であるという事実は変わりません。
より身近に手に入れることが可能になったのです。災いから家や家人を守るために、守り神を気軽に飾ってみるのもいいのではないでしょうか。

BECO'Sでは、インテリアとして飾れる鬼瓦を取り扱っております。