使い手の心に寄り添う千葉工匠具の魅力

千葉工匠具

千葉工匠具とは

千葉工匠具は、千葉県が誇る上質な伝統工芸品です。鎌(かま)や鍬(くわ)、洋鋏(ようばさみ)など、さまざまな種類があり、優れた鍛冶職人の多い房総半島では、優れた製品がいくつも作られています。

伝統的な技法を受け継いでいる千葉工匠具は、各分野のプロからも高評価。本物の職人が好んで使う仕事道具として、全国で人気を獲得しています。2017年には、経済産業大臣より伝統工芸品指定品目にも認定されました。

千葉工匠具の歴史と需要の変化

千葉工匠具には、江戸時代から続く長い歴史があります。江戸幕府制定前後、房総半島では、大規模な土木工事が行われるようになりました。1594年の利根川東遷(とねがわとうせん)事業、1724年の印旛沼干拓(いんばぬまかんたく)などがあり、さまざま道具が必要になったことが、工匠具が発展していくきっかけです。

工事で使う大工の仕事道具を作るため、当時の房総半島では、鍛冶職人がどんどん増えていきました。製造技術も高まり、徐々にクオリティの高い工匠具が生産されるようになっていきます。江戸時代後期になると、工匠具作りはさらに成熟し、房総半島が産地として知れ渡るようになるのです。

また、酪農や畜産の発展も重要なポイント。房総半島は酪農発祥の地であり、牧場がたくさんありました。そのため、農家で使う道具の需要も多く、鍛冶職人は精力的に工匠具を作っていたのです。

明治維新以降は、西洋文化を取り入れたことで、畜産業が活発化。質の高い包丁や鎌などを求める声も多くなり、幅広い工匠具が作られるようになりました。より牧場管理に適した製品を提供するため、職人の技術はますます向上していきます。

1871年に散髪脱刀令が出てからは、理髪店で使う理美容鋏の人気も増加しました。それまではあまり必要とされなかった道具が多くの店で使われるようになり、工匠具の活躍の場はさらに広がることになります。人々が求める新しい道具を作るため、職人も精力的に活動したのです。

江戸時代から明治時代にかけて発達していった工匠具の技法は、現代の職人もしっかりと継承。蓄積された知識や技術を大切にしながら、新しい工匠具が生産され続けています。

伝統的な手作業で生み出される千葉工匠具の特徴

千葉工匠具の特徴は、熟練の技を習得した職人が、丁寧に作り上げていること。分業ではなく、1人の職人が一貫した作業を行っており、手作りならではの味わいが人気です。分業にしない生産法は、ほかの産地では少ないやり方であり、千葉工匠具独自の魅力を生み出しています。

昔から受け継がれてきた技法も、独特なものが多いことで知られている千葉工匠具。鋏を作る際は「刃合わせ」、鋏以外には「叩き造形」「型切り造形」などが用いられていますが、やはりほかの産地では見られない技術です。

刃合わせは、鋏の用途に合わせて2枚の刃を組み合わせる技法。剪定や調髪など、鋏のさまざまな使い方を想定しながら行う角度調整には、職人の確かな技術が必要になります。

叩き造形は、熱した地金を槌(つち)で叩き、鎌や鍬の形に整えていくもの。型切り造形は、叩いて伸ばした地金に型紙を当て、「押し切り」と呼ばれる道具や槌などで、型に抜いていく手法です。

製作工程の後半はほぼすべて手作業になっていることも、千葉工匠具の特徴のひとつ。材料のひずみを調整する「歪(ひずみ)取り」、刃となる部分を研ぐ「荒研ぎ」「中研ぎ」、最後の仕上げは、いずれも高度な技術が求められる作業です。

さまざまな職業のプロを支える千葉工匠具は、職人の技術の結晶であり、使い手のことを考えながら丁寧に作られています。人々が求めるものを正確に把握し、心を込めて作り続ける姿勢が、高い人気につながっているのです。

千葉工匠具の現在とお手入れのコツ

千葉県には、昔ながらの技術を受け継いだ職人が多く残っており、現在も多種多様な千葉工匠具を生産中。鎌や鍬、バール、洋包丁など、日々の生活を支える高品質な製品が、数多く生み出されています。結婚祝いなどの贈り物として、千葉工匠具を選ぶ人も増えてきました。

使用者の好みや癖などに合わせる受注生産も、人気の理由のひとつ。自分にぴったりな仕事道具を手に入れることができるため、多くの人が注目しています。

職人が精魂込めて作った道具を長持ちさせるには、使用後にきちんと洗うことが大切。刃物は汚れが付着したまま放置していると、錆が出たり、切れ味が悪くなったりします。長く使わない道具などは、きれいに洗ってから片付けることが、長持ちさせるコツです。

ただし、洗った後に水分が残っていると、錆が出やすくなってしまいます。劣化を防ぐには水気を取り除く必要があるので、最後に熱湯をかけるようにしてください。お湯をかけてから乾拭きすると、水分が蒸発しやすくなり、きちんと乾かすことができます。

乾燥の際は、刃だけでなく、柄の部分も要チェック。柄も水分で傷むことがあるので、全体をしっかり乾かすようにしてください。

また、刃物用の手入れ油を塗ってから保管する方法もおすすめ。洗った後に乾かし、いったん油拭きをしたら、新聞紙などに包み乾燥した場所で保管しておきましょう。

切れ味が落ちたり刃が痛んだりしたものは、専門業者に修理を依頼してください。プロの技術で適切なメンテナンスを行えば、より長く使うことができます。

千葉工匠具の見学・体験ができる場所

株式会社五香刃物製作所

所在地 千葉県柏市藤ヶ谷369-10
電話番号 04-7193-0271
定休日 土曜午後・日・祝日
営業時間 月~金 8:30~17:30、土 9:00~12:00
HP https://gokouhamono.com/
備考 手造り刃物展示場あり

刃物フルカワ・(株)古川商店

所在地 千葉県千葉市中央区中央3-15-12
電話番号 043-222-3856
定休日 水曜日
営業時間 10:00~19:00
HP http://www.frkw.com/
備考 刃物造り体験教室、刃物研ぎ方教室

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