ブランド
6代つづく老舗の確かな技術力
栗久
- 1874年
- 大館曲げわっぱ
- 栗盛俊二
歴史
豊富な資源を活かした曲げわっぱ
1874年創業の栗久は、秋田県の特産品「大館(おおだて)曲げわっぱ」の老舗です。
創業者の栗盛家はもともと商人でしたが、養蚕問屋を経て、秋田県北東部で流行していた樺細工の製造を始めました。
樺細工は世界でも珍しい山桜の樹皮を使った木工芸品で、独特な木目の美しさと経年変化による光沢を持つことで有名です。
とくに5代目は樺細工の名工で、研究熱心だったことから、独自の治具工具を開発しました。
このことにより作業効率が大幅に向上し、製品を長く作り続けられるように。
さらには何十年後でも修理できるようになりました。
1956年の大火後、栗久では樺細工の技術を生かして、特産品である曲げわっぱを絶やさないようにと製造を開始。
業界に先駆けて木工機械を導入するかたわら、手塗りにこだわり、唯一無二のモノづくりを大切にしています。
曲げわっぱは、もともと木こりの弁当箱から始まりましたが、大館では400年前、久保田藩が豊富な森林資源を利用して、貧しさから逃れるための内職として武士たちに奨励し、発展しました。
後に職人へと受け継がれ、技術を磨いた結果、曲げわっぱで唯一、国の伝統工芸品として指定されています。
特徴
しなやかでたくましい天然杉の魅力
大館曲げわっぱは、弾力性のある秋田杉を薄く削いで、熱湯で柔らかくし、筒状に丸めて接着、山桜の皮で固定した木工品です。
古くから弁当箱、せいろ、おひつなどに使われており、軽さや木の香りが特徴的です。
秋田杉は厳しい寒さに耐えて育つため、木目が細かく、年輪の幅がほぼ同じ間隔でできている良質な素材。
そのため、木肌の美しさを生かす塗りを施しています。
また、大館曲げわっぱは機能性にも優れており、余分な水分を吸収してくれるので、内側に水滴がついたりせず、時間が経っても料理を美味しく食べることができます。
さらに断熱性も高いため、高温の汁物を入れても手が熱くなりません。
天然杉は殺菌効果が期待でき、通気性も良いため衛生的にも安心です。
栗久では伝統工芸士である6代目が、現代の生活を豊かにする製品を目指して、新たな形の曲げわっぱを創造しています。
お客様へ
新しいデザインの曲げわっぱを
栗久では、上質な秋田杉の美しい曲げわっぱを追求してきました。
お手入れ次第で何十年も使い続けることができ、清々しい木の香りを感じられる逸品です。
伝統技法を受け継ぎながらも、現代のライフスタイルにマッチした商品開発に取り組んでいます。
積み重ねて収納しやすい形状や、黒ずんだり傷みにくい工夫など、ストレスなく長い期間、愛用していただけることを考えて作った曲げわっぱです。
さらに、木目の素朴な風合いと相まって醸し出されるスタイリッシュな雰囲気が評価され、グッドデザイン賞を何度も受賞しています。
プラスチック製品が主流となっている昨今ですが、勝るとも劣らない曲げわっぱを日常の道具としてご愛用いただければ幸いです。
受賞歴
1988年 経産省認定伝統工芸士
2006年 秋田の名工・県優良技能者
2011年 厚労省 卓越機能賞 受賞
2021年 瑞宝単光章 受賞
2022年 瑞宝単光章 受賞