二風谷アットウシ

二風谷アットウシ

二風谷アットウシとは

二風谷アットゥㇱ(にぶたにあっとぅし)とは、北海道沙流郡平取町にて作られている伝統工芸品です。

二風谷という地名は、アイヌ語で「ニプタイ(木の生い茂るところ)」から名付けられたといわれています。その名のとおり自然豊かな二風谷で作られる織物は、糸も一本一本手作りです。

糸はオヒョウの木から作られます。木の皮から紡ぐ糸はやわらかい雰囲気を醸し出し、できあがった織物もしなやかでやさしい手触りが魅力的です。水に強く、通気性に優れているという特徴も持っています。

染料も目に馴染むような色合いのものを使用しており、手作りのあたたかみを感じることができます。

そのように自然と調和しながら発展していった、アイヌ文化を代表する織物・二風谷アットゥㇱ。2013年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に追加され、ますます知名度が上がってきている織物です。

アイヌ文化を代表する二風谷アットゥㇱの歴史

アイヌの女性たちは家族のために木の皮から糸を紡ぎ、衣服を織っていました。冬場の氷点下20℃という過酷な環境を乗り越えるため、丈夫な布が必要だったのです。

そこで生まれたのが二風谷アットゥㇱ。最初は家族のための織物でしたが、徐々に和人との交易にも用いられるようになります。

沙流は地理的に海産物には恵まれていなかったため、交易の手段として手工芸が発達していったともいわれています。和人のあいだでも質の高いものとして二風谷アットゥㇱがどんどん流通していきました。

水に強いことから船乗りたちの仕事着として愛用されたり、歌舞伎役者が二風谷アットゥㇱを着る演目ができたり、外国人旅行者が著書において二風谷アットゥㇱに触れていたりなど、さまざまなところで二風谷アットゥㇱが盛んに使われた記録がたくさん残っています。

近代に入っても沙流のアットゥシ作りは続きます。1955年ごろには民芸品ブームが起こり、二風谷アットゥㇱも地場産業となりました。

それまで女性がすべてをおこなっていたアットゥシ作りも分業が進み、織る作業は女性がおこない、糸の材料となる樹皮の採取には男性の力も加わり始めます。

そして1969年に二風谷で組織された任意団体である「アツシ織物生産組合」が設立され、2013年には二風谷アットゥㇱが北海道で初めて経済産業大臣指定の伝統的工芸品になりました。

現在では二風谷民芸組合を中心に、アットゥシの技術を受け継いでいくための後継者育成や製作物の販売などがおこなわれています。

豊かな自然から生まれた二風谷アットゥㇱの魅力

二風谷アットゥㇱの魅力はなんといっても糸から手作りであるという点です。

糸の原料となるのは、オヒョウやシナノキなど、沙流川流域で自生している樹木です。それらの木の皮を剥ぎ、そこから糸を紡いでいます。

糸作りが仕事の8割を占めているともいわれるほどの二風谷アットゥㇱ。樹皮を採取するところから始まり、採取した皮を釜で煮たり、乾燥させて一定の細さに裂いたりなど、糸のかたちにするだけでも莫大な時間と労力がかかります。

糸によって作品の雰囲気が変わってくるので、糸作りはとても重要な工程です。糸を染める染料に使うのはアカネやよもぎの葉、マリーゴールドなど、身近に生えている植物。自然のものを使うことで、ほかにはない独特の色味や風合いを表現しています。

機織り機にはアットゥㇱカㇻペという腰機(こしばた)を使用。経糸(たていと)の一方を柱などに固定、もう一方を織り機に固定し、腰に当て布をして座った体勢で織っていきます。

この手法や道具は100年前から変わらず伝承されており、二風谷の人々によってアイヌの文化がしっかりと守られていることがわかります。

二風谷アットゥㇱは天然繊維を使用している織物としては非常に丈夫で、水への耐性もありながら通気性も抜群です。現在では主に着物や帯、小物類が制作・販売されています。

二風谷アットゥㇱのお手入れ

二風谷アットゥㇱはアイヌの過酷な環境を耐え抜くために作られたとあって非常に丈夫にできています。

しかしせっかく二風谷アットゥㇱを手にしたならば、きちんとお手入れしてきれいに保ちたいですよね。

とはいっても二風谷アットゥㇱに対する特別なお手入れ方法は指定されていません。着たあとは影干しをして着物に風を通したり、タオルでホコリを落としたりなど、一般的な着物のお手入れ方法で対策をしておきましょう。

二風谷アットウシの見学・体験ができる場所

平取町アイヌ文化情報センター

所在地 北海道沙流郡平取町二風谷61-6
電話番号 01457-2-3299
定休日 12月31日~1月5日
営業時間 9:00~17:00(入館無料)
HP http://nibutani.jp/
備考 二風谷アットゥㇱを実際に見たり、購入したりできます。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館

所在地 北海道沙流郡平取町字二風谷55番地
電話番号 01457-2-2892
定休日

4月16日〜11月15日 曜日に関係なく毎日開館

12月16日〜1月15日 管内整備のため休館

11月16日〜4月15日 冬期間は毎週月曜定休

営業時間 9:00 〜 16:30
HP http://www.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/nibutani/
備考

二風谷アットゥㇱの制作過程や作品を見ることができます。

【体験(要予約)】

刺繍 2,000円(所要時間90分)

閲覧した商品